目次
介護職は非常に重要な役割を果たしていますが、多くのストレスが伴うことも事実です。この記事では、介護職のストレスの原因と、それに対するメンタルケアの方法を詳しく解説します。頑張ろうとする前向きな気持ちは重要ですが、ストレスで疲れきってしまい、仕事の効率が落ちたり、ミスが多発したり、ましてや倒れてしまっては本人のみならず、周囲に負担がかかってしまいます。職場におけるメンタルヘルスの重要性を認識し、意識的にストレス・マネジメントを心がける必要があります。
介護職のストレスの原因とその詳細
ストレスの原因は具体的にどのようなものなのでしょうか。以下に、介護職における主なストレスの原因とその詳細を挙げてみましょう。
1.先輩の教え方の統一性の欠如
介護職における指導や教育は非常に重要です。しかし、先輩からの指導や教え方が統一されていないことが多々見受けられます。具体的には、Aさんから「この方法が最も効果的だ」とのアドバイスを受けた後、Bさんから「それは誤りで、この方法が正確だ」との異なる指示を受けることが頻繁にあります。このような状況は、特に新人や未経験者にとっては混乱を招くだけでなく、自信を喪失する原因ともなります。
2.急変時の現場スタッフへの過度な責任追及
介護の現場は予測不可能な事態が日常的に発生します。利用者の状態が突如として急変した際、その場にいたスタッフが過度に責任を問われることがしばしばあります。しかし、全ての状況において完璧な対応を期待することは現実的ではありません。スタッフも人間であり、限界が存在します。
3.サービス残業や早出の常態化
介護施設の多くで、サービス残業や早目の出勤が当たり前のようになっています。このような労働環境は、スタッフの過労を引き起こすだけでなく、長期的には健康を害するリスクも増大します。適切な労働時間の確保が必要です。
4.予定通りの進行が求められる厳しい環境
介護の現場は、タスクの多さと時間の制約により、常にプレッシャーを感じる環境となっています。しかし、どれだけ努力しても予定通りに進行しないことは避けられません。そのたびに注意や叱責を受けることは、スタッフのモチベーションを大きく低下させます。
5.一方的な介護技術の強制
介護技術やアプローチは、利用者や状況に応じて柔軟に変える必要があります。しかし、施設や上司から一つの方法だけを強制されることがあると、スタッフはその技術に疑問を持ちながらも従わざるを得ません。これは、ストレスの原因となるだけでなく、最終的には利用者へのサービスの質を低下させる可能性があります。
介護職員のメンタルケアの深い理解
介護職員のメンタルケアは、その職業の特性上、非常に重要な要素となっています。介護の現場は、感情的なストレスや身体的な負担が大きいため、メンタルケアが欠かせません。ここでは、事業者側と個人がどのようにメンタルケアを行っているのか、その具体的な方法を詳しく紹介します。
1.事業者側が行っているメンタルケアの詳細
事業者側は、介護職員のメンタルヘルスを維持するためのさまざまな取り組みを行っています。定期的なカウンセリングや研修を提供することで、スタッフの心の健康をサポートしています。これにより、職員が仕事のストレスやプレッシャーに対処できるようになります。また、休憩時間の確保や、適切な人員配置は、職員の疲れを軽減し、より良いサービスを提供するための重要な取り組みとなっています。
2.自分自身の心の健康を守るメンタルケア
自分自身のメンタルケアは、日常生活の中での小さな工夫から始めることができます。リラックスできる時間を持つことは、心の健康を維持するための基本です。趣味や休息を大切にすることで、日々のストレスをリセットすることができます。また、自分の感情や体調をしっかりとチェックすることで、早期に問題を察知し、適切なケアを受けることができます。
職員の変化に気付くポイント
日常の気配りから気付く変化
私たちの周りの人々、特に職場の同僚たちは、日常の中でさまざまなストレスやプレッシャーにさらされています。その中で、彼らのメンタルヘルスが崩れてしまうことも考えられます。しかし、その変化に気付くことは容易ではありません。日常の中での小さな変化や言動から、そのサインを見逃さないようにしましょう。
【うつ病】
うつ病は、現代社会で増加しているメンタルヘルスの問題の一つです。
- 症状
うつ病の症状は、持続的な憂鬱な気分、興味喪失、疲れやすさなどがあります。これらの症状が続く場合、専門家の意見を求めることが重要です。 - 治療
うつ病の治療には、薬物療法や認知行動療法などがあります。治療は、個人の症状や状態に応じて選択されます。 - 対応
うつ病を持つ人に対して、理解とサポートが必要です。無理に元気になるように求めるのではなく、話を聞くことや一緒に過ごす時間を大切にしましょう。
【燃えつき症候群】
燃えつき症候群は、長期間の過労やストレスが原因となって発症することが多い症状です。特に、職場での過度な負担やプレッシャーが続くと、この症状になるリスクが高まります。
- 症状
燃えつき症候群の症状には、持続的な疲労感、仕事への興味喪失、仕事の効率の低下などがあります。 - 治療
燃えつき症候群の治療には、休養やライフスタイルの見直し、ストレス管理の方法の学習などがあります。 - 対応
燃えつき症候群を持つ人に対しても、理解とサポートが必要です。適切な休養やサポートを受けることで、回復への道を歩むことができます。
まとめ
介護職員の仕事は、人の命を直接的に支える非常に重要な役割を果たしています。そのため、やりがいを感じる一方で、精神的・肉体的な負担も大きいです。しかし、利用者の笑顔や感謝の言葉を直接受け取ることができるのは、介護職ならではの魅力です。毎日の業務の中での小さな幸せや成果を大切にし、自分自身の成長や達成感はもちろん、自分のメンタルケアをも意識することが大事だと言えるでしょう。
詳細についてご興味があればお気軽にお問い合わせ下さい。無料コンサルティング受付中です。
https://kaigo-keiei-labo.jp/contact/
介護経営総合研究所 代表 五十嵐太郎
名古屋大学経済学部を卒業後、株式会社リクルートにてブライダルマーケットの営業、マーケティングに従事。
その後、民間介護会社、社会福祉法人にて大規模な経営改善を実現。2021年4月介護経営総合研究所を創業。
改善実績:離職率5割削減、採用単価3万円、人材紹介・人材派遣0、人材紹介会社費用の9割減、利益率4倍等。