雇用に対する法人の姿勢が経営を決する時代
新型コロナの影響で停滞していた特定技能外国人採用ですが、2022年春の渡航再開から一気に動きが活性化しています。国の掲げる目標数値と現在の実績には大きな乖離があり、今後は急速に特定技能外国人雇用が進行すると考えられます。同時に技能実習生の転職マーケットも活性化するでしょう。更に働く環境が悪い施設、法人からは外国人の退職、転職が頻繁に起こるでしょう。特定技能は新しい制度のため、様々な予想外の事が起こりうると思います。特定技能雇用において登録支援機関の選択は非常に重要なポイントです。登録支援機関の支援内容は国により定められていますが、その支援の品質には大きな差が生じています。価格はもちろん、サービス、支援内容、外国人の教育体制、支援スタッフ等、広い視点で選択することが重要です。「どのような研修、支援をしてくれるのか?」について具体的に確認しておく必要があります。支援の少ない登録支援機関を価格だけで選定してしまうと、後々トラブルとなり、悪評が外国人のSNSで広まってしまう可能性があります。
特定技能介護職採用には以下のメリットがあります
①初日から人員基準に配置可能
②1人で夜勤も可能
③採用人数は日本人の常勤職員数までOK
④業務範囲が広く転勤も可能
初日から介護施設運営の生命線でもある人員基準に貢献できるため、人材不足の施設を救う切り札になる可能性があります。採用人数の上限が大きいのも魅力的な要素です。今後、日本人介護職の採用がより一層困難になった際は、特定技能外国人採用が最も即効性の高い打ち手となるでしょう。
外国人求職者がスムーズに現場で働く事が出来るようになるためには何が必要でしょうか?まずは受け入れる職場の体制を整えておく必要があります。「初日から現場に配属され、他の社員同様の仕事をやらされた」「仕事が出来ずに怒られた」等のトラブルにより早期退職となるケースも時々見受けられます。入社前の期待値調整や、研修制度、暖かく受入れる雰囲気作り等、外国人雇用前には法人内での体制を整える事が重要です。
外国人に選ばれる施設へ
雇用する法人側の対応が、外国人のみならず法人全体の採用、そして経営全体へ大きな影響を与えます。既に視点は「外国人を選ぶ」から、「外国人に選ばれる」へと変化しつつあります。雇用に対する法人の姿勢こそが経営を決する最大の要因となるでしょう。
※上記は2022年高齢者住宅新聞コラムを一部加筆修正したものです。
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介護経営総合研究所 代表 五十嵐太郎
名古屋大学経済学部を卒業後、株式会社リクルートにてブライダルマーケットの営業、マーケティングに従事。
その後、民間介護会社、社会福祉法人にて大規模な経営改善を実現。2021年4月介護経営総合研究所を創業。
改善実績:離職率5割削減、採用単価3万円、人材紹介・人材派遣0、人材紹介会社費用の9割減、利益率4倍等。