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7月の採用市場:全体的な動きの悪化と背景要因
2025年7月の採用市場は、全体的に動きの悪化が顕著に現れた月となりました。主要な採用サービスにおける求人閲覧数は軒並み減少トレンドを示し、企業の採用活動にも大きな影響を与えています。
転職市場では2025年下半期において15の業界・職種のうち11分野で求人が「増加」または「好調を維持」と予測されており、全体としては活況を維持する見込みとされていますが、7月は例外的な落ち込みを見せています。特に中小企業においては、人口減少とともに若年層の人材確保が困難になり、慢性的な人手不足が経営課題として顕在化している状況です。
半導体業界では2024年7-11月期と前年同時期で比較すると求人数が130%超で推移し、2025年も引き続き増加傾向が予測される一方で、他の多くの業界では7月の閲覧数減少が目立っています。

成功事例:採用伴走支援による半年での充足達成
このような厳しい市場環境の中でも、適切な戦略と継続的なサポートにより成果を上げている企業があります。弊社の採用伴走支援を今年からスタートした企業では、半年でほぼ採用充足を達成しました。この成功の背景には、単なる採用活動ではなく、企業の採用プロセス全体を見直し、継続的な改善を図った結果があります。
現在、この企業では後半戦として離職率削減への取り組みをスタートしています。採用と離職防止の両面から対策を行うことは、人事戦略として非常に理にかなったアプローチです。新しい人材を獲得するコストは、既存社員を定着させるコストの数倍と言われており、離職防止への投資は長期的に見て極めて効率的な施策となります。
離職防止の取り組みには時間がかかりますが、経営の未来に向けて必須の事項です。特に人材獲得が困難な現在の市場環境では、優秀な人材の定着は企業の競争力に直結する重要な要素となっています。
特定技能登録支援機関への需要増
7月に特に目立った動きとして、特定技能登録支援機関のご紹介依頼が増加しました。
特定技能制度では、転職が可能という制度設計となっており、これが登録支援機関にとっては大きな課題となっています。外国人労働者が他社に転職してしまうリスクを抱えながらも、適切なサポートと教育の品質が問われる時代となりました。
企業が特定技能外国人を安定的に雇用し続けるためには、単なる労働力として扱うのではなく、職業生活上・日常生活上・社会生活上のきめ細かな支援が不可欠です。このため、経験豊富で質の高い登録支援機関の選定が、特定技能制度を成功させる鍵となっています。

撮影依頼の急増:ビジュアルコンテンツの重要性
7月のもう一つの特徴的な動きとして、撮影依頼が目白押しとなっています。これは、採用活動における写真やビジュアルコンテンツの重要性がより一層高まっていることを示しています。
求職者の企業選択において、Webサイトや求人票の写真が与える影響は計り知れません。特に若い世代の求職者は、SNSに慣れ親しんでいることもあり、視覚的な情報を重視する傾向があります。職場の雰囲気、働く人々の表情、オフィス環境など、写真を通じて伝えられる情報は、求職者の応募意欲に直結します。
また、リモートワークの普及により、実際に職場を見学する機会が減った現在、写真による情報伝達の重要性はさらに高まっています。企業の魅力を効果的に伝えるためには、プロフェッショナルな撮影による質の高いビジュアルコンテンツが必要不可欠となっています。
8月後半から9月への戦略的準備
7月の市場動向を踏まえ、8月後半から9月に向けては万全の準備で臨むことが重要です。一般的に、9月は転職市場において最も活発な時期の一つとされています。夏季休暇明けで求職者の転職活動が本格化し、企業側も下半期に向けた採用強化を図る傾向があります。
この重要な時期を迎えるにあたり、企業が準備すべき要素は以下の通りです:
1. 採用戦略の見直しと最適化
7月の動きを分析し、自社の採用プロセスや条件設定に改善の余地がないかを検証する必要があります。市場の変化に対応できる柔軟性を持った採用戦略の構築が求められます。
2. 求人内容とビジュアル素材の強化
撮影需要の増加が示すように、求人票やWebサイトのビジュアル面での差別化が重要です。職場の魅力を的確に伝える写真やコンテンツの準備を進める必要があります。
3. 外国人材採用の検討
特定技能制度の拡大を受け、外国人材の活用を検討する企業が増加しています。適切な登録支援機関との連携体制を構築することで、新たな人材確保のチャンスを活かすことができます。
まとめ:継続的な採用支援の重要性
2025年7月の採用市場は、全体的に厳しい状況を示しました。しかし、適切な戦略と継続的なサポートにより成果を上げている企業も存在します。2025年下半期も転職市場は活況を維持する見込みとされており、採用活動は単発的な取り組みではなく、継続的な改善とサポートが必要な分野です。
市場環境が変化する中で、採用伴走支援のような専門的なサポートを活用することで、企業は効率的かつ効果的な人材獲得を実現できます。また、採用後の離職防止にも注力することで、長期的な人事戦略の成功につなげることができるでしょう。
9月以降の本格的な採用シーズンを迎えるにあたり、今こそ採用戦略の見直しと準備を行う絶好のタイミングです。継続的な採用支援を通じて、企業の成長を支える優秀な人材の確保を実現していきましょう。
当社では引き続き、介護業界の採用動向を注視し、有益な情報を提供してまいります。SNSを活用した採用戦略や効果的な求人広告の出稿方法など、お気軽にご相談ください。
介護経営総合研究所 代表 五十嵐太郎
名古屋大学経済学部を卒業後、株式会社リクルートにて通信事業、ブライダル事業、マーケティングに従事。
その後、民間介護会社、社会福祉法人にて大規模な経営改善を実現。2021年4月介護経営総合研究所を創業。
改善実績:採用コスト2,000万円削減、離職率5割削減、採用単価3万円で200人採用、人材紹介・人材派遣0
人材紹介会社費用の9割減、東京にて施設開設時に160人採用、利益率4倍、薬剤師応募を1時間で獲得、他多数。