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2025.06.29
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採用市場の革命:成果課金型×スキマバイトの融合で変わる「おためし雇用」の未来

採用を取り巻く環境の激変

昨今の採用市場では、従来の採用手法では対応しきれない大きな変化が起きています。企業の人材獲得競争は激化し、2024年度の新卒採用支援サービス市場規模は前年度比5.1%増の1,466億円を記録、2025年度は同4.5%増の1,532億6,000万円を予測されています。また、2025年の中途採用に積極的な企業は9割を超える状況となり、採用競争はさらに激化することが予想されます。

このような環境変化の中で、特に注目されているのが「成果課金型サービス」と「スキマバイトサービス」の急成長です。これらのサービスは既存の採用手法に革命をもたらし、新たな採用の可能性を切り開いています。

成果課金型サービスの効果性

成果課金型の採用サービスは、従来の掲載課金型とは異なり、実際に採用が決まった場合にのみ費用が発生する仕組みです。採用コストの高騰や、採用担当者の業務負荷増大など、多くの企業がDX時代の採用活動に課題を抱えている現状において、この成果課金型モデルは企業にとって非常に魅力的な選択肢となっています。

特に中小企業にとっては、限られた採用予算の中で確実な成果を求められる状況が続いており、成果課金型サービスの導入により採用ROIの向上が期待できます。採用代行(RPO)市場は約700億円規模に達し、外部委託による効率的な採用活動がトレンドとなっています。

スキマバイトサービスの急成長

一方で、労働者側の働き方に対する意識変化も大きな変革をもたらしています。代表的なスキマバイトサービスである「タイミー」は、2024年12月時点で累計登録者数が1000万人を突破し、2023年12月の667万人から1年間で約1.5倍増加という驚異的な成長を見せています。

タイミーの2023年10月期の売上高は161億円、流通総額は545億円で、売上高成長率は前年比160%以上という数字が示すように、スキマバイト市場は急速に拡大しています。また、同様に介護・看護分野に特化した「カイテク」なども急成長を遂げており、専門分野での短期労働需要も高まっています。

二つのトレンドの融合が生み出す新サービス

成果課金型サービスとスキマバイトサービス、この両者の特徴を融合した新たなサービスが登場しています。これらのサービスは、企業にとって「採用前に実際の働きぶりを確認できる」というメリットと、労働者にとって「気軽に様々な職場を体験できる」というメリットを同時に提供します。

従来のトライアル雇用制度は、主に就職困難者支援の側面が強く、厚生労働省による助成金制度として運用されていました。しかし、新しいサービスは市場原理に基づいた民間主導のアプローチにより、より柔軟で効率的な「おためし雇用」を実現しています。

「おためし雇用」常態化の可能性

転職市場において「おためし雇用」が常態化する可能性は非常に高いと考えられます。その背景には以下の要因があります:

企業側のメリット

  • 採用ミスマッチの大幅な削減
  • 面接だけでは分からない実務能力の事前確認
  • 成果課金型による採用コストの最適化
  • 長期雇用前のリスク軽減

労働者側のメリット

  • 職場環境や業務内容の事前体験
  • スキルアップの機会増加
  • 副業としての収入源確保
  • 転職活動中の収入補填

相次ぐ値上げラッシュや副業推奨の流れがワーカー増加に影響している現状を考えると、労働者側のニーズも高まり続けています。

IT業界における先手必勝の法則

ITの世界では「先手必勝」が鉄則です。後発参入は往々にして困難を極め、市場シェアの獲得が難しくなります。採用市場においても同様の法則が働いており、メルカリやリクルートなどの巨大な資本を持つ企業が参入し、今後熾烈な競争となることが予想されています。

現在、おためし雇用サービスを活用している企業は、競合他社に対して大きなアドバンテージを獲得できています。優秀な人材との接点を早期に確保し、採用プロセスの効率化を図ることで、人材獲得競争において優位に立つことができるのです。

早期導入のすすめ

新しい採用手法への取り組みは、まさに今が適切なタイミングです。2024年の中途採用人数は1社あたり年間平均20.8人で2年連続20人を超え、中途採用費用は平均650.6万円で前年から20.9万円増加している現状を踏まえると、効率的な採用手法の導入は急務と言えるでしょう。

おためし雇用サービスの導入により、企業は以下の成果を期待できます:

  1. 採用成功率の向上: 実際の働きぶりを確認した上での採用判断により、ミスマッチを大幅に削減
  2. 採用コストの最適化: 成果課金型により、無駄な採用費用を削減
  3. 採用スピードの向上: 従来の長期選考プロセスの短縮化
  4. 企業ブランディング: 革新的な採用手法による企業イメージの向上

まとめ:変革期における戦略的選択

採用市場は今、歴史的な変革期を迎えています。成果課金型サービスとスキマバイトサービスの融合により生まれた「おためし雇用」は、企業と労働者双方にとってWin-Winの関係を構築する革新的なソリューションです。

転職市場における「おためし雇用」の常態化は、もはや避けられない流れと言えるでしょう。IT業界の法則に従うならば、この変化に早期に対応した企業が市場での優位性を確保できます。

採用戦略の見直しを検討されている企業は、ぜひ早めの導入を検討することをお勧めします。変化の波に乗り遅れることなく、新しい採用の可能性を探求することが、将来的な企業成長の鍵となるでしょう。

 

介護経営総合研究所 代表 五十嵐太郎
名古屋大学経済学部を卒業後、株式会社リクルートにて通信事業、ブライダル事業、マーケティングに従事。
その後、民間介護会社、社会福祉法人にて大規模な経営改善を実現。2021年4月介護経営総合研究所を創業。
改善実績:採用コスト2,000万円削減、離職率5割削減、採用単価3万円で200人採用、人材紹介・人材派遣0
人材紹介会社費用の9割減、東京にて施設開設時に160人採用、利益率4倍、薬剤師応募を1時間で獲得、他多数。