目次
はじめに:採用市場の現状と課題
近年、介護業界をはじめとする人材採用市場では、デジタル媒体の採用コストが急上昇しています。特にINDEEDなどの求人プラットフォームでは、クリック単価の高騰が企業の採用担当者を悩ませています。このような状況下で、従来型の採用手法を見直す動きが出始めています。
なぜ今、ポスティングなのか
一見すると時代に逆行しているように思えるポスティングですが、実はデジタル疲れした求職者へのアプローチとして、新たな可能性を秘めています。デジタル広告の飽和状態により、むしろアナログな手法が差別化要因となりつつあるのです。
進化したポスティングの特徴
精密なターゲティング
現代のポスティングは、かつての「やみくもな配布」とは一線を画します。
– 配布エリアの詳細な選択が可能
– 性別・年齢によるセグメンテーション
– 世帯収入データの活用
– 家族構成に基づくターゲティング
– 介護職特有のペルソナに合わせた戦略的配布
品質管理の向上
配布品質の確保も、テクノロジーの活用により大きく進化しています。
– GPS管理による配布状況の可視化
– リアルタイムでの進捗確認
– 配布完了報告の精度向上
– 未配布エリアの即時把握
デジタルとの効果的な連携戦略
ポスティングは単独での実施ではなく、デジタル施策との連携により、さらなる効果を発揮します。
1. インスタグラムとの連動
– QRコードの活用
– 職場の雰囲気が伝わる写真の掲載
– リアルな職場情報への誘導
2. クロスメディア展開
– オフラインからオンラインへの誘導
– 採用サイトとの連携
– LINE公式アカウントへの誘導
費用対効果の考察
デジタル広告費の高騰を考えると、ポスティングは検討に値する選択肢となっています。
– INDEEDのクリック単価と比較した場合のコストメリット
– 配布エリアを絞ることによる効率化
– トライアル実施による効果測定の重要性
成功に向けた実践的アドバイス
チラシの質の重要性
1. デザインの工夫
– 視認性の高いレイアウト
– 明確な訴求ポイント
– 行動喚起(CTA)の明示
2. 内容の充実
– 具体的な待遇情報
– 職場の特徴や魅力
– 研修制度や福利厚生の詳細
効果的な実施のポイント
– 配布エリアの慎重な選定
– 配布時期の検討
– 継続的な効果測定
– PDCAサイクルの実施
まとめ
デジタル時代だからこそ、アナログな手法であるポスティングが新たな可能性を見せています。精密なターゲティング、品質管理の向上、そしてデジタル施策との連携により、効果的な採用手法として再評価される時期に来ています。採用コストの最適化を目指す企業にとって、検討に値する選択肢と言えるでしょう。
費用対効果を見極めながら、まずは小規模なトライアルから始めることをお勧めします。デジタルとアナログ、それぞれの特性を活かしたハイブリッドな採用戦略が、これからの時代には求められているのかもしれません。
介護経営総合研究所 代表 五十嵐太郎
名古屋大学経済学部を卒業後、株式会社リクルートにて通信事業、ブライダル事業、マーケティングに従事。
その後、民間介護会社、社会福祉法人にて大規模な経営改善を実現。2021年4月介護経営総合研究所を創業。
改善実績:採用コスト2,000万円削減、離職率5割削減、採用単価3万円で200人採用、人材紹介・人材派遣0
人材紹介会社費用の9割減、東京にて施設開設時に160人採用、利益率4倍、薬剤師応募を1時間で獲得、他多数。