近年、介護業界においても人材採用の手法が多様化し、従来の求人サイトや折込チラシだけでなく、SNSを活用した採用活動が注目を集めています。特に、InstagramでのPR活動や採用情報の発信が効果的だと言われていますが、その一方で新たな課題も浮上してきています。本稿では、Instagram運用代行サービスを利用する際の懸念点について詳しく解説いたします。
Instagram採用の台頭と潜在的リスク
Instagram(以下、インスタ)は若年層を中心に幅広い年齢層に利用されており、視覚的な訴求力が高いプラットフォームとして知られています。介護業界においても、職場の雰囲気や仕事の魅力を効果的に伝えられるツールとして注目を集めています。
しかしながら、インスタ運用の重要性が高まるにつれ、その代行サービスを提供する業者も増加しています。残念ながら、中には専門知識や経験が不足している業者も少なくありません。ある介護施設のクライアントから、インスタ運用を代行業者に依頼しているという話を伺い、実際の投稿内容を拝見する機会がありました。その結果、予想以上に質の低い運用実態が明らかになりました。
素人感満載の代行サービスの実態
当該クライアントのインスタアカウントを精査したところ、以下のような問題点が浮き彫りになりました:
1. 動画編集の不自然さ:
transitions(場面転換)が不自然で、視聴者の目を引き付けるどころか、かえって違和感を与えてしまっていました。
2. 文字の切れ目:
投稿内のテキストが不適切な位置で切れており、メッセージの伝達に支障をきたしていました。
3. キャッチコピーの質の低さ:
介護業界や求職者の心理を理解していないような、魅力に欠けるキャッチコピーが散見されました。
4. ハッシュタグの選択ミス:
関連性の低いハッシュタグや、逆効果になりかねない不適切なタグが使用されていました。
5. フォロワー数の伸び悩み:
上記のような問題点が重なり、アカウントのフォロワー数が期待通りに増加していませんでした。
これらの問題点を総合すると、代行業者がインスタの仕組みや効果的な運用方法を十分に理解していないことが推察されます。さらに驚くべきことに、クライアントはこの質の低いサービスに対して、相当高額な費用を支払っていたのです。
インスタ運用代行の選び方
インスタの動画編集や投稿は、一見すると簡単そうに見えるかもしれません。しかし、実際には企画段階から相当な労力と専門知識が必要とされます。質の低い投稿は単に効果がないだけでなく、企業イメージを損なう可能性すらあります。
そのため、代行業者を選ぶ際は以下の点に注意が必要です:
1. 実績の確認:
過去の運用実績や成功事例を具体的に確認しましょう。特に介護業界での実績があれば理想的です。
2. ノウハウの有無:
インスタのアルゴリズムや最新のトレンドに関する知識を持っているか、必ず確認してください。
3. クリエイティブ能力:
魅力的な動画や画像を制作する能力があるか、サンプルワークなどで判断しましょう。
4. コミュニケーション力:
貴社の理念や求める人材像を理解し、適切に表現できるかどうかも重要なポイントです。
5. 透明性:
運用方針や成果報告の方法が明確で、必要に応じて柔軟に対応できる業者を選びましょう。
まとめ
インスタを活用した採用活動は、介護業界において大きな可能性を秘めています。しかし、その運用を安易に身近な代行業者に任せてしまうと、期待した効果が得られないばかりか、貴重な予算と時間を無駄にしてしまう恐れがあります。
質の高いインスタ運用は、介護施設の魅力を効果的に伝え、優秀な人材の獲得につながる可能性を秘めています。そのためにも、代行業者の選定には細心の注意を払い、自社の理念や目標に合致した戦略的な運用を心がけることが重要です。
最後に、インスタ運用に不安や疑問をお持ちの介護事業者の皆様へ。弊社では、専門的な知見を活かした無料診断を実施しております。貴社のインスタ運用の現状を分析し、改善点や効果的な戦略をご提案いたします。お気軽にお問い合わせください。共に、魅力的で効果的なインスタ運用を実現し、介護業界の人材採用問題の解決に取り組んでまいりましょう。
介護経営総合研究所 代表 五十嵐太郎
名古屋大学経済学部を卒業後、株式会社リクルートにて通信事業、ブライダル事業、マーケティングに従事。
その後、民間介護会社、社会福祉法人にて大規模な経営改善を実現。2021年4月介護経営総合研究所を創業。
改善実績:採用コスト2,000万円削減、離職率5割削減、採用単価3万円で200人採用、人材紹介・人材派遣0
人材紹介会社費用の9割減、東京にて施設開設時に160人採用、利益率4倍、薬剤師応募を1時間で獲得、他多数。