目次
はじめに
近年、採用市場において大きな存在感を示しているIndeed。多くの企業が人材獲得のためにこのプラットフォームを活用していますが、その効果や課題について様々な声が聞かれるようになってきました。本コラムでは、Indeedの現状を分析し、特に中小企業や福祉事業者にとっての課題と対策について考察します。
Indeedの現状:効果と課題
応募数の変動
Indeedを利用する企業からは、相反する声が聞こえてきています。一部では応募数が減少しているという報告がある一方で、全体的には応募数が急増しているという傾向も見られます。この矛盾した状況の背景には、求人数の増加があると考えられます。
求人数の増加は、Indeedの売上増加にもつながっていると推測されますが、同時に企業間の競争も激化させています。特に中小企業や福祉事業者にとっては、大手企業との競争が厳しくなっているのが現状です。
Indeedplusの登場と期待
介護業界向けに導入されたIndeedplusについては、その効果に期待が寄せられています。しかし、実際にこのサービスが介護業界に良い結果をもたらすかどうかは、まだ未知数です。業界特有の課題に対応できるかどうか、注意深く見守る必要があります。
代理店の動向と費用の上昇
Indeedの利用をめぐる状況をさらに複雑にしているのが、代理店の動向です。タウンワークが2025年3月末をもって廃刊することが決定し、これを受けて各代理店がIndeedの提案を強化する動きが見られます。その結果、以下のような問題が生じています:
1. 提案額の上昇:代理店間の競争が激化し、高額な提案が増加しています。
2. クリック単価の上昇:競争の激化により、クリック単価が上昇傾向にあります。
3. 費用対効果の低下:従来の費用では十分な応募を獲得できなくなってきています。
これらの要因により、特に予算に制限のある中小企業や福祉事業者にとっては、Indeedの活用が難しくなっています。
中小企業・福祉事業者の課題
1. 予算の限界
大手企業と比較して、中小企業や福祉事業者が採用に投資できる金額には限りがあります。クリック単価の上昇や高額な提案は、これらの企業にとって大きな負担となっています。
2. 競争力の維持
予算の制限がある中で、いかに効果的な求人を出し、質の高い応募者を獲得するかが課題となっています。大手企業との差別化が難しくなっているのが現状です。
3. 運用ノウハウの不足
Indeedの効果的な活用には、プラットフォームの特性を理解し、適切な運用戦略を立てる必要があります。しかし、多くの中小企業や福祉事業者では、そのためのノウハウや人材が不足しています。
対策と今後の展望
1. 戦略的な運用
Indeedを活用する際は、見込みのクリック率やクリック単価を慎重に検討し、無駄のない運用を心がけることが重要です。具体的には以下の点に注意しましょう:
– ターゲットを絞った求人設定
– 効果的なキーワードの選定
– 応募者の動向分析と求人内容の最適化
2. 差別化戦略の構築
大手企業との競争を避け、自社の強みを活かした求人戦略を立てることが重要です。例えば:
– 地域密着型の求人
– 独自の福利厚生や研修制度のアピール
– 職場の雰囲気や企業文化の強調
3. 複数チャネルの活用
Indeedだけでなく、他の求人サイトやSNS、自社サイトなど、複数の採用チャネルを組み合わせることで、リスクを分散し、より幅広い層の求職者にアプローチすることができます。
4. 専門家のサポート活用
Indeedの運用に不安がある場合は、専門家のサポートを受けることも検討しましょう。適切なアドバイスにより、効果的かつ効率的な運用が可能になります。
まとめ
Indeedは依然として強力な採用ツールですが、市場の変化に伴い、その活用方法も進化しています。特に中小企業や福祉事業者にとっては、戦略的なアプローチが不可欠です。コスト面での課題はありますが、自社の強みを活かし、効果的な運用を行うことで、Indeedを含む採用活動の成果を最大化することができるでしょう。
変化し続ける採用市場において、常に最新の情報を収集し、柔軟に対応していくことが、成功への鍵となります。
介護経営総合研究所 代表 五十嵐太郎
名古屋大学経済学部を卒業後、株式会社リクルートにて通信事業、ブライダル事業、マーケティングに従事。
その後、民間介護会社、社会福祉法人にて大規模な経営改善を実現。2021年4月介護経営総合研究所を創業。
改善実績:採用コスト2,000万円削減、離職率5割削減、採用単価3万円で200人採用、人材紹介・人材派遣0
人材紹介会社費用の9割減、東京にて施設開設時に160人採用、利益率4倍、薬剤師応募を1時間で獲得、他多数。