目次
はじめに
採用活動において、自社の採用サイトは極めて重要な役割を果たします。しかし、多くの企業が採用サイトの設計、特に「導線」の重要性を見落としがちです。本記事では、ある大手医療法人の事例を基に、採用サイトの導線設計の問題点と、その改善策について詳しく解説します。
事例紹介:大手医療法人の採用サイト
ある大手医療法人の採用サイトを分析したところ、以下のような問題点が浮き彫りになりました:
1. 職種の羅列:医師、看護師、リハビリ系職種、事務系職種など、約30の職種が小さな文字で羅列されていました。
2. スクロールの問題:急募の医療事務のリンクにたどり着くには、かなりのスクロールが必要でした。
3. 担当者任せの設計:この導線は担当者の一存で作られており、専門家のチェックを受けていませんでした。
導線設計の重要性
採用サイトの導線設計は、単なる細部の問題ではなく、サイトの根幹を成す重要な要素です。適切な導線設計は以下の利点をもたらします:
1. ユーザビリティの向上:求職者が必要な情報に素早くアクセスできます。
2. 離脱率の低減:適切な導線は、サイトからの離脱を防ぎます。
3. 応募率の向上:目的のページまでスムーズに誘導することで、応募につながりやすくなります。
4. ブランドイメージの向上:洗練されたサイト設計は、企業のプロフェッショナリズムを示します。
導線設計の問題点と改善策
1. 職種の羅列と階層構造
問題点:
– 多数の職種を小さな文字で羅列すると、視認性が低下します。
– ユーザーが目的の職種を見つけるのに時間がかかり、ストレスを感じる可能性があります。
改善策:
– 職種をカテゴリーごとに分類し、階層構造を持たせます。
– 例:「医師」「事務職」「看護師」などの大カテゴリーを設け、その下に具体的な職種を配置します。
– ドロップダウンメニューやアコーディオン形式を採用し、ユーザーが必要な情報に素早くアクセスできるようにします。
2. スクロールの問題
問題点:
– 重要な情報や人気職種へのリンクが画面下部にあると、ユーザーがそれを見逃す可能性が高くなります。
– 過度のスクロールは、ユーザーの離脱を招く原因となります。
改善策:
– 重要な職種や情報は、ページ上部に配置します。
– 「よく見られている職種」などのセクションを設け、人気の高い職種へのクイックアクセスを提供します。
– 無限スクロールではなく、ページネーションを採用し、ユーザーが全体の構造を把握しやすくします。
3. デザインとユーザビリティ
問題点:
– センスの無いデザインは、企業イメージを損なう可能性があります。
– 使いづらいサイトは、優秀な人材の応募を妨げる要因となります。
改善策:
– プロのウェブデザイナーやUXデザイナーに依頼し、魅力的で使いやすいデザインを実現します。
– A/Bテストを実施し、どのデザインや導線が最も効果的かを数値で検証します。
– モバイルファーストの設計を心がけ、スマートフォンでの閲覧にも最適化します。
4. 外部専門家のチェック
問題点:
– 担当者の一存で作られたサイトは、客観的な視点が欠如している可能性があります。
– 採用マーケティングやウェブデザインの専門知識がない場合、効果的なサイト設計は困難です。
改善策:
– 採用コンサルタントやウェブデザインの専門家に定期的なレビューを依頼します。
– 社内で採用サイトを管理する場合でも、外部の目を通してチェックする機会を設けます。
– ユーザビリティテストを実施し、実際のユーザーからのフィードバックを収集します。
採用サイトの導線チェックリスト
以下のチェックリストを使用して、自社の採用サイトの導線を評価してみましょう:
1. [ ] 職種が適切にカテゴリー分けされているか
2. [ ] 重要な情報やリンクがページ上部に配置されているか
3. [ ] スクロールせずに主要な情報にアクセスできるか
4. [ ] デザインが魅力的で、企業イメージを適切に反映しているか
5. [ ] モバイル端末での閲覧に最適化されているか
6. [ ] 外部専門家のレビューを受けているか
7. [ ] ユーザビリティテストを実施しているか
8. [ ] 定期的にサイトの分析とアップデートを行っているか
まとめ
採用サイトの導線設計は、単なる細部の問題ではなく、採用活動の成否を左右する重要な要素です。適切な導線設計により、以下のメリットが期待できます:
1. 優秀な人材の応募率向上
2. 企業ブランドイメージの強化
3. 採用活動の効率化
自社の採用サイトの導線に不安がある場合は、専門家によるウェブ診断を受けることをおすすめします。客観的な視点から自社サイトの問題点を洗い出し、改善策を見出すことで、採用活動の成果を大きく向上させることができるでしょう。
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介護経営総合研究所 代表 五十嵐太郎
名古屋大学経済学部を卒業後、株式会社リクルートにて通信事業、ブライダル事業、マーケティングに従事。
その後、民間介護会社、社会福祉法人にて大規模な経営改善を実現。2021年4月介護経営総合研究所を創業。
改善実績:採用コスト2,000万円削減、離職率5割削減、採用単価3万円で200人採用、人材紹介・人材派遣0
人材紹介会社費用の9割減、東京にて施設開設時に160人採用、利益率4倍、薬剤師応募を1時間で獲得、他多数。