現代の採用市場は、かつてない速度で変化しています。人口構造の変化、技術・サービスの進歩は、企業が採用戦略を根本から見直す必要があることを示唆しています。このコラムでは、採用マーケットの需給バランスの変化、求職者への新しい対応方法、そして技術よりも人間性を重視する採用へのシフトについて考察します。
採用マーケット全体の需給バランスを考える
日本における人口減少は、労働市場に大きな影響を与えています。特に若年層の減少は、企業にとって長期的な人材不足、人材の高齢化を意味しています。結果として日本人が不足し、外国人雇用が加速しています。また、かつてなら「普通の」人材とされた人々でも、今や市場では需要があるという事実を、企業は認識すべきです。需給バランスの変化を理解し、多様な人材獲得に向けた戦略を構築することが必要です。
求職者への対応を変える
現在の求職者は、スカウト型サービスの増加と共に選択肢が豊富となり「選べる時代」となったため、企業の対応に対しても高い期待を持っています。これまでのような「雇用してやる」的な対応では、優秀な人材を逃します。求職者を単なる「応募者」ではなく、「お客様」として扱うべき時代になっています。対応のスピードは、企業の熱意や誠意を示す重要な要素です。迅速な対応を心がけることで、求職者にポジティブな印象を与え、企業の魅力を伝えることができます。
質を求めない – 人間性の重視
採用において、経験やスキルよりも重要視すべきは「人間性」です。技術や知識は、教育や研修を通じて身につけることが可能ですが、個人の価値観や人間性は容易に変えることができません。優秀な人材ほど、企業の文化や価値観に共感し、自社サイトを入念に読み込んでくる傾向にあります。そのため、自社サイトの充実は、質の高い人材を引き寄せる上で不可欠です。企業文化やビジョンを明確に伝え、人間性を重視した採用を行うことが、長期的な成功に繋がります。
結論
採用の不調は、時代の変化に適応できていない自社の責任として認識することが重要です。労働市場の需給バランスの変化を踏まえ、求職者への新しいアプローチを取り入れ、人間性を重視した採用戦略を構築することで、企業はこの新しい時代においても、優秀な人材を確保し続けることができるでしょう。この変革の旅において、企業が採るべき最初の一歩は、自身の採用戦略を見直し、現代の採用市場のリアリティに即した方法を取り入れることから始まります。
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介護経営総合研究所 代表 五十嵐太郎
名古屋大学経済学部を卒業後、株式会社リクルートにてブライダルマーケットの営業、マーケティングに従事。
その後、民間介護会社、社会福祉法人にて大規模な経営改善を実現。2021年4月介護経営総合研究所を創業。
改善実績:採用コスト年4,000万円→1,000万円へ削減、離職率5割削減、採用単価3万円、人材紹介・人材派遣0、
人材紹介会社費用の9割減、利益率4倍他多数。