1. コスト削減の難しさとその必要性
福祉事業において、経常的なコスト削減は簡単なようで難しい作業です。長年のお付き合いがある業者の存在や、既存の契約の影響で、簡単に契約を見直したり切り替えることができない場合が多いのです。
しかし、経済的な健全性を維持し、企業の存続を図るためには、定期的な経費の見直しは不可欠です。考えてみてください。1年で1000万円の削減ができれば、5年で5000万円。更に、1年に3000万円の節約が実現できれば、5年で1.5億円もの大きな経費削減が見込めます。
しかし、経費削減を図る過程で、金額だけを追求すると品質が犠牲になるリスクが生まれることも。賢明な判断を下すためには、金額と品質のバランスを見極める必要があります。
2. コスト削減の様々な項目
コスト削減の対象となる項目は様々です。以下は、特に福祉事業において重要となる項目の一部を示します。
- 食費
- ビルのメンテナンス費用
- 玄関マット
- リネン関連の費用
- 通信関連: 携帯電話、固定電話、企業ネットワーク
- ITシステムの導入・メンテナンス
- 文具や備品の購入費
- 制服
- 電気料金
- ガス料金
- 車輌関連費用
- 保険
- 採用にかかる費用
- その他
3. 職員への対応
コスト削減の取り組みは、全てのステークホルダー、特に職員の理解と協力が不可欠です。「価格が下がるが品質は維持する」この大前提のもと、特に調理職を直接雇用している施設の場合には、このポイントを強調する必要があります。また、新しいシステムの導入や変更時には、職員が実際に使いやすいかどうかを確認するためのテストやフィードバックが欠かせません。
まとめ
コスト削減の取り組みを一気に進めると、想定外の問題や混乱が生じる可能性が高まります。各部門と連携を取りながら、明確な目標を設定し、計画的に実施することが成功の鍵となります。
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介護経営総合研究所 代表 五十嵐太郎
名古屋大学経済学部を卒業後、株式会社リクルートにて通信事業、ブライダル事業、マーケティングに従事。
その後、民間介護会社、社会福祉法人にて大規模な経営改善を実現。2021年4月介護経営総合研究所を創業。
改善実績:離職率5割削減、採用単価3万円、人材紹介・人材派遣0、人材紹介会社費用の9割減、利益率4倍等。